サカキブラグ

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時折ブラリと寄るブログです。

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カードキャプターさくら さくらとさくらカード後継者問題 その2

 週末。

 そんなこんなで、さくらの部屋にいろんな人が大集合だ!!


 ……というワケではなく。


「ほえ? 観月先生とスピネルさんと奈久留さんは来なかったんですか?」

「ええ、彼女達にはイギリスで留守を頼みました。既に彼女達にはお話した事ですから」

 クロウ・リードの生まれ変わりである故か、さらにクロウに似てきたエリオルは微笑みながら告げる。

 ちなみに、同じくエリオルの正体を知っている李家……すなわち苺鈴なども来てはいない。

 なにせ李家は中国を代表する魔術師一族である。大きな魔術関連の事件でも起こらない限り、そうそう簡単に日本へは来られない。


「で、クロウ。改まって何を話してくれるんや?」

「まさか、お前が消した……私達の記憶の中の事柄か?」

 本来の姿に戻ったケルベロスとユエが、かつての主に向けるものとは思えない、鋭い眼光を向けながらエリオルに訊ねる。

 対するエリオルは相変わらず微笑んでいた……と思えば、すぐにその表情を真剣なモノへと変える。

 それを見たケルベロスとユエは、眉をひそめた。

「いいや、違うよ」


 エリオルは、クロウ・リードの生まれ変わりとしての口調で、話し始める。

 その場に揃った、さくらと小狼と知世とケルベロスとユエが、息を呑んだ。


「ところでケルベロス、ユエ……〝壱原侑子〟という女性について、覚えているかな?」

「イチハラ、ユウコ? あの、次元の魔女などと呼ばれている女か」

「あー……あの、わいを犬呼ばわりしよった年齢不詳女か。懐かしい名前やな」

「???? どんな女の人なの、その人?」

 なにやら自分達の知らない間に話が進んでいる為、ワケが分からないと言いたげなさくら達。

「李くん、そのような名前の女性が、クロウさんの周りにいらしたの?」

「いや、俺の家に残っているクロウ関連の記録書には何も無かったぞ?」

「それは、しょうがないですよ」


 とそんな小狼と知世の疑問に、エリオルは突然答えた。


「だってその人は、この世界とはまた違う世界にお住まいの女性ですから」


「「「「「…………………………え?」」」」」


 またしてもワケの分からない発言である。さくら達は同時に疑問符を浮かべた。

 エリオルはそんなさくら達を見つめながら、いったいどう説明をしたら理解してもらえるのか、心の中で必死に考えながら、長々と説明を開始する。


「超ひも理論、という理論が存在します。現代物理学の基礎理論『相対性理論』と『量子論』……どちらも合っているハズなのに、どうしても矛盾が生じてしまうこの2つの理論を矛盾無くくっ付けるために生み出された理論です。そしてこの『超ひも理論』を説明するためには、10次元や11次元という、私達では想像もつかない次元の存在が必要でした。私達が認識しているこの世界は、縦横高さの3点による3次元空間と、時間を合わせた……いえ『時間』は省きましょう。なぜならば、空間というモノは見えているけど目立つほど大きな動きを見せないモノ。そして時間は、目に見えないのに滅多に……それこそ魔術を使わなければその動きを停める事のできない、別の存在ですからね。それはさておき、そんな10次元や11次元やらが関わってくる『超ひも理論』ですが、それを理解しようとしている者の中には、ある錯覚を覚える者が時に現れます。それら高次次元の果てに、こことは違う世界、すなわち『パラレルワールド』が存在する、という錯覚です。ここまでで、ご質問はありますか?」


 いったん説明をやめ、さくら達に問うエリオル。


「ほ……ほぉえええええ~~~~~…………???????????????」

「ま、全く理解できませんわ」

「ぜ、全然何を言っているのか解らない」

「アカン、クロウ……もうちょっと噛み砕いて説明してくれへんか?????」

 対するユエ以外のメンバー、ダウン。

 ユエの場合は雪兎を通じて大学の講義ですでに理解している事なので混乱は起きなかった。


 そしてそれ故に、ユエはこんな事を思う。


(ま、まさかクロウ……楽しんでいないか? この状況を)


 クロウがいったいどういう性格をしているのかをキチンと理解しているからこその感想だった。


「それはそうと、クロウ……もしかしてその、イチハラユウコという女性は、この世界の『もしも』な世界であるパラレルワールドの住民なのか? いやそもそも、どうしてクロウは別の世界の女性と知り合いに……ッ!! まさか、クロウ……」

 壱原侑子について追求をしようとしたユエは、ふとそこで、あるトンデモ仮説に思い至る。

 エリオルはそんなユエの反応を見て、まるで大正解した生徒を見つめる教師のように微笑むと、


「ああ、そうだよユエ」


 途中からどこか不敵な笑みを浮かべて……告げる。


「かつて私は、そのパラレルワールドへと移動できるほど、強い魔術師だった」


「「「え、ええええ!?」」」

「なんやてぇ!?」

 驚愕の真実に、驚くしかないさくら達。

「とは言っても、私の最初の次元移動は、魔力を伴わないものだったけどね」

「??? どういう、事だ?」

 驚愕の表情を維持したまま、小狼は訊ねた。


「ところでみなさん、神隠しの原因がなんなのか、想像した事はありますか?」

 だがその質問にはすぐには答えず、エリオルはそんな質問を返してきた。


「?? 『消(イレイズ)』のカードや『無(ナッシング)』のカードを使う、以外で?」

「ええ。確かにその2枚も神隠しによく似た現象を引き起こせますが、自然現象としての、神隠しについてです」

「まったく見当がつきませんわ」

「転送系の魔術、とかって言いたいのか?」

「っちゅーかクロウ、前置きはええからとっとと結論を出してくれへんか?」

 人間3人とは違い、だんだんと長々とした前置きにイラついてきた甘党守護者。

 エリオルはそれを見て『まだまだこれからなのに』と言いたげに未練がましい表情を一瞬した後、


「しょうがないですね」

 そう呟いてから、ついに全てを話し始める。


「神隠しの原因の1つであろう現象に……私は全盛期の頃、巻き込まれた事があります。原因は、いたって簡単。別の世界の自分が、この私の存在を認識したから。

 世界というのは奇妙な物でして、同一存在同士が次元を超えて相手を認識すると、なぜか両者は1つとなってしまうんです。そんな奇妙な現象に巻き込まれた私は、そこで1人の女性と出会います。その女性こそが……壱原侑子でした。

 ちなみに、その名前は偽名だそうです。真名は私にも教えてくれませんでした。それはそうとその侑子という女性は、私が融合したもう1人のクロウ・リードとは、悪友……というのでしょうかね? とにかくそんな、友達以上恋人未満な間柄だったみたいです。

 ちなみに、もう1人の私が私を認識できた原因なのですが……驚く事に、その場で侑子と共に、とある存在と出会ったからです。その存在というのが……ケルベロス、ユエ、君達も知っているあの2体のオリジナルだよ」


「!? まさか、あのモコナ達か!?」

「ええ、あのモコナ達です」

 ケルベロスの質問に、即答するエリオル。

 そう。ケルベロスとユエは、あの白と黒のモコナ達と面識があるのである。


 詳しくは絵本を参照……と書きたいが、現在本屋では売られてはいない絵本だ。


「あ、あの、エリオル君……もこなって、何なんですか?」

 なんの事やら全く分からないさくらが、エリオルに質問する。

 エリオルは、どう説明したら解りやすいかを考えながら、説明した。


「モコナというのは……一言で言えば……創造主、ですね。

 とある次元で、とある3人の少女達を異世界へと移動させたり、新たに世界を創ったりと……。

 私や侑子以上の存在……神とでも呼ぶべき存在かもしれません。

 まぁこの世界もそのモコナによって創られたかどうかは不明ですけどね。

 世界というのは、自然に生まれたりしますし。

 ちなみに、ケルベロスとユエが共に暮らしたモコナ達は、私と侑子が、創造主モコナを基に生み出した存在です……と、話が逸れたので修正しますね。

とにかくそんな感じで2人分の私の魔力が1つとなって、私はさらに強力な魔術師になりました。

そしてそれ故に、ある日私は……ある罪を犯しました」


「「「「「罪?」」」」」

 その場の一同が、眉をひそめ、エリオルの次の言葉を待つ。

 エリオルは真剣な表情から、どこか悲しそうな顔をしながら、さらに告げた。


「モコナと出会ってから、私は侑子と共に……モコナのオリジナルのように時空を捻じ曲げて、別の世界へと移動する魔術の開発に尽力しました。魔術師にとって、世界の理を知る事は至上の喜びですからね。

 まぁこの辺は私と侑子の趣味もあったのですが。

 そして私と侑子は、ついに別の次元へと渡る手段を、魔術によって確立し、様々な世界を渡りました。

 インド神話の出来事が、この世で実際に起きていた場合の世界。

 精神力で小型のロボットを動かし、戦わせ合うゲームが流行った世界。

 天の龍、そして地の龍などという名前の、2つの超能力者集団が、世界の命運を懸けて戦い合う世界。

 他にもいろいろな世界を、侑子と共に旅をしました。でもその最中……いろいろな世界を回って、いろいろあったせいか……ついに侑子は、寿命を迎えました」


「!? そんなっ」

 エリオルから告げられた悲しい急展開に、さくらは思わず声を上げた。

 小狼と知世も、ハッと息を飲んだ。


 一方で、ケルベロスとユエは、

「そうか。あのねーちゃん死んだんか」

「……騒がしい人だったが、いないはいないで……寂しく感じるな」

 と昔の事を思い出しながら、悲しそうな声で呟いた。


 だが、ふとケルベロスは、その話の中に矛盾を見つけた。


「ちょい待ち、クロウ。だったらわいらが会うたあのねーちゃんは……いつのねーちゃんなんや? わいらとねーちゃんが会う前に、クロウはねーちゃんといろんな次元を旅したんやろ? で、その旅の途中でねーちゃんが寿命を迎えたなら、わいらはねーちゃんと会えるはずがないやろ?」


「「「「!?」」」」


 ケルベロスの指摘に、一同が同時にハッとする。


 だがその謎を提示したエリオルは、そんな指摘をしたケルベロスを見ながら、


「いい所に気付いたね、ケルベロス」


 大正解をした生徒を褒める教師のような口調でそんな事を言うと、

「その謎の答えこそが、私がかつて犯した罪だ」

 ついに本題へと、入った。


「そしてその罪とは。私が侑子と死に別れたくないが故に、死に逝く侑子の〝刻〟を止めて……侑子を延命させてしまった事です」


 今まで、誰にも明かしてこなかった……話を。


「え、延命……やと?」

 ケルベロスが、顔から冷や汗をかきながら訊ねた。

「ちょっと待て、クロウ……まさか、それは……ッ!!」

 滅多な事では慌てないユエが、大きく動揺した。

「まさか、クロウ……」

 そして、エリオルの言った事を、魔術師であるがためにすぐに理解した小狼も、大きく動揺した。

 いったいどういう事か、理解できないさくらと知世。

 小狼はそんな2人に、動揺した表情のまま説明する。


「例え、魔術を用いても……死んだ人間を生き返らせる事は出来ない。それは解るな?」

「う、うん」

「ええ。エリオルくん……いいえ、クロウさんが良い例ですものね」

「ああ。その通りだ。だけど、もしも死ぬ直前の人間の時間を、止める事ができるとしたら?」

「それって……『時間(タイム)』のカードを使って、時間を止めるように?」

「ああ、理屈としては合ってる。けど、それどころの規模じゃない。

死の運命が迫った人間の運命そのものを、永遠に止める。そう言った方が正しいかもしれない。

 そしてそれは、次元の壁を超えられるほどの魔力を有していたクロウならば……不可能じゃない」

「正解です。李くん」

 またしてもエリオルは、教師のように褒めた。

「ええ。私は、侑子の〝刻〟を……その有り余る魔力を使って、止めてしまったんです。そしてそれによって……数多くの存在を犠牲にし、さらには余計な者を生み出してしまいました」


「存在を、犠牲?」

「余計な者……って?」

 何の事やら分からないさくらと小狼に、エリオルは、告げた。


「運命を止めるという事は、死の運命に空白が生まれる、という事です。そして私が侑子の運命を止めてしまったせいで、別の世界の、数多くの侑子が……その空白を埋める為の犠牲になってしまったんです」


「!? そ、そんなっ」

 再び、思わず叫んでしまうさくら。


「ええ。酷いかもしれないですが……これがこの世界の理……というよりは、死者は蘇らない、という、このもっとも基本的な理を覆さないための……世界の修正力の結果、というべきでしょうか。

とにかく、私が侑子の〝刻〟を止めたせいで、多くの犠牲を出し、さらには止め続けたせいで、世界の理は、徐々にですが歪み始めました。

 侑子を、今すぐに殺してでも〝刻〟を動かさない限り……絶対に修正される事の無い、歪みです。

 でも私は、侑子を殺す事など……出来ませんでした。友達、だったんですから。

 だけど、侑子を殺さなければ……世界は、もしかすると壊れるかもしれない。私と侑子が生きた、この世界が。

 だから私は、悩みました。世界と取るか、侑子を取るか……そしてその果てに、私は〝とある存在〟を生み出してしまいました。


〝飛王・リード〟


 ……侑子を、本当の意味で生き返らせたい。悩みに悩んだ末に、そんな歪んだ願いを持ってしまった、もう1人の私……と呼ぶべき存在です。

 そして、彼が現れた直後……世界は大きく、変わってしまいました。

 飛王の暗躍によって、犠牲になってしまった者達でなければ、けっして覆す事の出来ない〝刻〟の流れが、生まれてしまったんです。

 そこで、私はいろいろと、侑子と共に動きました。世界の歪みを、これ以上酷くしないように。そして侑子を……私が殺すのではなく、ちゃんと〝刻〟を動かす事で、安らかな死を与えるために……。

〝刻〟を動かすために、世界の裏で動いている最中。私はケルベロスとユエ、クロウカードを、そして侑子と共にモコナ達を創りました。

 ちなみにケルベロス達は元々、私が再び、世界ごとに分かれた後に〝この世界におけるさくらさん〟が、私と同じような間違いを犯さないよう、魔力を安全に制御する術を教えるために、創りました。

 まぁ、私が最初に言ったように、私の魔力を2つに分けるためでもあったんですけどね。私が再び、間違いを犯さないように」


「え、ちょっと待ってください」

 あまりにもスケールが大きく、それでいてとても悲しい話を聞いている最中、知世は話の内容に動揺しながら待ったをかけた。

「それなら、さくらちゃんの杖は……いったい誰がお創りになったのですか?」

「いい質問ですね、知世さん」


 エリオルは再び、教師のように知世を褒めると、すぐに答えた。

「さくらさんの杖は、侑子の〝刻〟を動かすための計画の最終段階にて分離した、もう1人の私が創りました」

「え、では……次元を超えて、その杖は、エリオルさんのもとに?」

「……はい、そうです」

「でも、どうしてわざわざ、もう1人のご自分に創らせたのですか?」


「……それは、ですね」

 エリオルは、どこか歯切れの悪い反応をした。


 さくら達は、疑問に思いながらそんなエリオルの答えを待った。


「実はもう1人の私が、飛王・リードによって運命を捻じ曲げられてしまう〝別の世界のさくらさん〟のために元々創ったんですよ、あの杖は」


「ほ、ほええええ!?!?」

「な、なんやてぇ!?」

「は、初耳だ……」

 さくらと守護者達は、そのトンデモ発言に思いっきり動揺した。


 今まで聞いた事も無いトンデモ事実なのだから、しょうがない。


「もう1人の私……がいた世界とは、また別の世界のさくらさんなんですけどね。そのさくらさんは、この世界のさくらさんと同じく高い魔力を持っていたんです。

 でもこの世界のさくらさんと違って、その世界のさくらさんは、フルパワーで魔力を使うと、いわゆるトランス状態に陥ってしまって、周りの事が分からなくなってしまうそうなんですよ。

 そして私が生み出した飛王・リードは、そんなさくらさんの魔力を利用しようと暗躍していた。

 だからこそ、その世界のさくらさんが、自分の力で魔力を制御できるように、もう1人の私はその杖を創ったのですが……そこまですると、さすがに飛王に感づかれて妨害を受ける、という事で……私がその杖を貰い受けて、さくらさんの杖にしたわけです。杖の補助アイテムとして『月の鈴』を創ったのも、その時です。

 そして私は、この世界でもう2度と罪を犯さないように魂を2つに分け、さらには予知でどう術を行使しようが、魔力までは半分にできない事を知っていた私は、さくらさんがクロウカードと杖と、ケルベロスとユエと巡り合うよう、死ぬ前にいろいろと準備をしていた、というワケです」


「もう1人のクロウさんや、侑子さんや……えっと、モコナさん達は……それからどうなったんですか?」

 キリのいい所で、さくらはエリオルに質問した。

「侑子は……自分の〝刻〟を動かし、世界の歪みを正すために、今も……とある世界で動いているよ。モコナ達は、そんな侑子の本拠地で、今も〝運命の瞬間〟が来るまで眠りについているんじゃないかな。

 そしてもう1人の私ですが……別の世界のさくらさんが、これから待ち受ける、飛王が仕掛ける運命に対して、しっかりと前を向いて立ち向かえるよう導いた後……侑子に、残りの魔力と寿命を託して、そのまま亡くなりました」


「そ、そんな……」

「そんな泣きそうな顔をしないでください、さくらさん」

 エリオルから語られた話は、驚きの事実もあったが、それ以上に、とてもとても悲しい話も多かった。


 次元の魔女の死。クロウの侑子に対する想い。葛藤。そして前に進むための、不退転の覚悟。


 それらはさくらの心に……いや、さくらだけではない。

 小狼と知世、ケルベロスとユエに、様々な衝撃を与えていた。


 今までさくらカードの後継者についての論争をしていたのだから、尚更だ。


 けれどエリオルは、そんなみんなを見渡しながら言った。


「それにみなさんも。もう、終わった事なんです。今は私と侑子の計画が、うまくいく事だけを祈っていてください。それが私や、もう1人の私。そして……侑子の願いですから」


「……うん、分かったよエリオルくん」

 エリオルの言葉に、さくらも覚悟を決めた。


「クロウさん達の望む未来になる事を、祈るよ。そして私も……クロウさん達と同じような間違いを犯さないように……もっともっと、頑張るよっ」


 今まで聞いていた、悲しい昔話を思い返し、思わず両目に涙を浮かべながらも。とてもとても、力強く。


エリオルはそんなさくらを見て、一瞬驚いた表情をしたが、すぐに、いつも通りの柔和な表情を作り、


「ありがとう、ございます」


 心の底から、感謝した。


     ※


「ああそうだ、1つ、言い忘れていた事があります」

 さくらの家を出て、チェックインしたホテルへと向かおうとした時、エリオルはふと立ち止まり、さくらにこんな事を言った。

「魔力を2つに分ける前に見た予知夢なんですが、その〝別の世界のさくらさん〟に、いずれさくらさんは、夢を介して出会うでしょう。もしも、もう1人の自分に伝えたい事があれば、考えておくといいかもしれません」


 そして、約1年後……この予言は現実となった。





 


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by guroriasuh | 2018-04-08 20:00 | 二次小説 | Comments(0)

by guroriasuh